#64 夏よ、遠き夏よ

こんばんは。

 

時刻は0時を少し過ぎた頃

俺は夢を考える頃

親友が机に向かい出す頃

好きな子が遠くを見つめる頃

 

同じ時間を過ごしていても、その中身は全然違う。

それが人生だ。

お前は自分の時間に胸張って過ごせてるか?

 

今日は朝から夕方までみっちり劇団の練習でした。

なかなか進んだのではないでしょうか。

全体としてはそんなにか?

自分の調子がよかったからそう思うだけか。

だったらもっと周りを見ないとな。

もともとそれが俺の役目だ。

脚本家として、全員が輝ける道を作らねば。

 

 

明日は珍しくバイトも学校もないというのに。

どうしてテスト勉強をしなければならないんだ。

遊ばせてくれよー。

どっか行きてえよお。

京都とか行きてえよお。

神社でラムネとか飲みてえよお。

それで、ベンチに座ってゆっくりしてえよお。

 

そんな夏はいつ来るんだー。

おーい。

呼びかけても来ないのか?

なぜなんだ!

俺はこんなに素晴らしい夏を求めているのに、どうして夏は何も答えないんだ!

 

は、まさか。

 

夏に返事を求めているのがおかしいのか?

 

もしかして。

返事を求めるべきは一緒に行きたい人に対してなのか?

 

いやいやいやいや。

話がちげーよ。

俺は夏には女の子と色んなところに行って思い出を作れるって聞いたんだけど。

そういう契約で今年の夏を迎えたはずなんだけど。

おかしいぞ。

今になって自分で相手を探してくださいとか酷くないかい?

まるで俺が努力してないみたいじゃないか。

 

俺はやるべきことはやったじゃないか。

しっかり玉砕したし、しっかり悲しんださ。

 

となればあとは夏の方がセッティングすべきじゃないか?

時間は作るさ、しっかり空けるさ。

まあ、お金も多少は出すよ。

ほら、ここまで準備出来てるんだぜ?

早く夏よ、僕の彼女を召喚しておくれ。

この際、黒髪乙女という高望みは捨てよう。

そこまで言っておられぬ。

 

 

 

 

捨てられねええええええ。

こればっかりは捨てられねえよおおおおお。

 

 

なんでお前ら髪染めるんだよ!

なんか遊んでる女みたいな印象になるじゃねえか!

そうなったら話しかけづらいだろが!

 

 

 

あああああああ!

でも、黒髪乙女で遊んでるパターンはもっとつらいぞ!

それはまずいぞ。

おそらく一定の確率でそういう子が存在しているだろう。

そこだけは避けなければ。

 

 

 

くそお。

夏サイドで用意してくれればこんなに悩むことはないのに!

こいつらの仕事の出来なさのせいで俺が自分で相手を探さないといけなくなったじゃないか!

それが出来ねえから夏サイドにお願いしてるんだろうが!

 

 

 

 

 

 

 

ってか夏サイドってなんだよおおおおお!

 

どこの業者だよおおおおおおお!

 

夏が相手を連れてくるシステムなんて聞いたことねえよおおおお!

 

そんなのあったら苦労しねえよおおおおお!

 

 

 

 

 

 

あってくれよおおおおお!

 

そんなシステムあってくれよおおおおお!

 

せっかくの夏を楽しく過ごしたいのによおおおお!

 

 

親友は勉強するし、あの子は彼氏いるしよおおおおおお

 

 

 

 

オーーーーマイガッーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

さあ寝るべ。